日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年2月13日人間関係を良くする聴き方のポイントとは?


★ベーシックコース受講後人間関係を改善できたKさん


先日、日本話し方センターのベーシックコースのスピーチ実習で、受講生のKさんが次のようなスピーチをしました。Kさんは職場ではベテラン社員なのですが、日頃から後輩社員たちの仕事振りに緊張感が足りないと感じていました。そのため、毎日後輩たちにダメ出しをしてはぶつかっていました。そんな日常に疲れ果て、自分のコミュニケーションを見直そうとベーシックコースを受講しました。
そして、教室に通っているうちにある気付きを得てそれを実践したところ、見事に後輩たちとの人間関係を改善することができました。さて、Kさんが職場の人間関係を変えることができたポイントは、何だったと思いますか?




★人の話を聴く


それは『人の話を聴く』ということだったのです。
聴くことの効果については最近twitterにも投稿しています。





それまでKさんは後輩たちに一方的に厳しく指導するだけで、彼ら彼女らの話を殆ど聞かなかったそうです。しかし、話し方教室で「話し上手は聴き上手」ということを学び、職場で後輩たちの話をしっかり聴くことを実践しました。その結果、職場での人間関係が劇的に改善したのです。
相手がちゃんと話を聞いてもらったと思うまで話を聴く。これを実行するためには、自分の感情を横に置いて相手の話を冷静に聴くことが必要です。人は内面に、感情的な側面と、客観的に自分を見つめる側面があります。人の話を聴くときは感情的側面を抑えて、できるだけ客観的な側面で聴くことが大切なのです。Kさんはまさにこの聴き方を実践して成功されました。


ところで、この聴き方の効果は主に3つあります。




★会話を噛み合わせることができる


1つ目は、相手の考えがより適切につかめて会話や議論を噛み合わせることができることです。
人の話を感情的側面で聴いていると、相手の気持ちに配慮せず自分中心に話を聴くことになります。そうすると、話の途中で「ああ、そういうことね」と早呑み込みしてしまい、そのことについて自分の意見が言いたくなります。やがて我慢できなくなって相手の話しを遮って自分の考えを話し出します。これでは、相手の話の真意がくみ取れませんし、相手は気分を害してしまいます。これに対して客観的側面で意識を相手に集中して話を聴くと、最後まで心に余裕を持って聴くことができます。話の趣旨を誤解することは少なくなるのです。



★感情的な反応を示さなくなる


2つ目は、相手の話に感情的な反応を示すことが少なくなることです。
感情的側面で話を聴くと、自分中心の聴き方ですので相手の言っていることを否定したくなることが多いです。その流れで話し始めると、話し方は勢い感情的なものになってしまいます。しかし客観的側面で話を聴けば自分の感情はある程度抑え込めます。そのため、自分が話をする番になっても相手にきちんと聞いてもらおうという意識が働いて冷静に話すことができるのです。



★論理的に話せる


3つ目は、相手と論理的に話ができるようになることです。
感情的側面が前面に出てくると論理よりも自分の感情が優先されてしまいます。しかし客観的側面で話を聴くと「この人はどうしてそう考えるのだろう?」と、相手の気持ちに意識を向けて話の背景を考える余裕ができます。その分、冷静に相手の真意や考えを考察することができ、より論理的に話を進めることができます。



★ドラッカーの言葉


著名な経営学者のドラッカーが、その著書「経営者の条件」でエグゼクティブが成果を上げるための8つの習慣を述べた後、「もう一つおまけを加えたい。余りに重要な事なので、原則に格上げしたいくらいである。聞け、話すな、である。」と書いています。皆さんも、人の話を徹底的に聴き切ることを意識してみてはいかがでしょうか。



★コミュニケーションを基本から学びませんか?


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